お子さんとの接し方

ADHDは発達特性に起因するものであり、育て方やしつけが原因となることはありません。ただし、接し方や育て方が症状に影響を与えることはあります。
ADHDの特性を理解しないままに、ただしつけを厳しくしても、症状を改善することはできません。ADHDの子どもの多くは、こうしなければいけない、これをしてはいけないといったことはわかってはいますが、刻々と変化する外部の刺激に飲み込まれて、どのように実行していくかを自分で計画することが困難です。そのために、環境設定と具体的な指示が必要であり、結果がうまくいけばしっかりとほめることが大切なのです。

集中力を高める方法、集中力を途切れさせない方法

テレビやおもちゃなどの刺激物を排除する
集中を求める場面では、周囲からの刺激を極力少なくするようにしましょう。例えばテレビがついていておもちゃも散乱している中で学習するのはとても難しいのです。
部屋の隅を利用した三角コーナーを学習の場所とする
視覚的な刺激が入りにくく、集中力が求められる課題を行うには適した場所です。

具体的なお手本

指示を具体化する(絵に描く、順番に必要なものを並べる、チェックリストを作成するなど)
ADHDの子どもには、言葉による指示はなかなか伝わりにくいことがあります。視覚情報は受け入れやすいため、指示を具体化することは指導に有効です。

上手にほめる

気づいたらできるだけ早くほめる
その場ですぐにほめることが大切です。時間がたつと効果はかなり落ちてしまいます。
子どもと目線をあわせ、自分の喜びをストレートに表現する
微笑みを浮かべて、うれしさをあらわす声で、場合によっては抱きしめるなどして喜びの感情を表しましょう。
トークン(ポイント)表の活用
子どもが適切な行動をとれたら、シールやスタンプ、ポイント得点などのトークン(代用貨幣)をあげて、それを集めると好きな物や活動と交換できるようにするシステムをトークンエコノミーシステムといいます。長い歴史のある有効な手段です。

好ましくない行動がみられたら

叱ることは反抗を刺激するだけで、好ましい行動を導くことにはつながりません

好ましくない行動がみられたら、注目せずに少し遠くで見守る(目をそらす、他のことをする)
子ども自身を無視するのではなく、その行動を無視します。しばらく待って、好ましい行動をし始めたら、すかさずほめます。
興奮している場合は、まず落ち着かせる工夫を
落ち着いたらそのことをほめ、「次はこうしてみたらどうかな」と代わりになる行動を示し、その成功を期待してあげましょう。
指示は一度にひとつ、具体的に(その○○を下に置きなさい、など)
「やめなさい」、「だめ」、「何度言ったらわかるの」などの叱り言葉には、何をどうしたらよいかという具体的指示は一切ありません。ADHDの子どもたちは指示の内容を理解はしても、どうしたらよいかをとっさに思いつくことができません。そのため、叱り言葉からはその場で求められる行動の正解にたどりつくことは難しいのです。叱り言葉は子どもの自信を失わせるだけで、成功体験にはつながりません。
『近づいて』、『穏やかに』、『静かな声で』注意する
遠くから大声で感情的に注意するのではなく、子どもに近づいて顔を見ながら、穏やかに、静かな(落ち着いた)声で話しかけます。指示を繰り返すときも、いらいらしたり声を荒げたりしないで、穏やかな口調のままで話します。

監修:
社会福祉法人恩賜財団母子愛育会 愛育研究所 愛育相談所 所長 齊藤 万比古 先生
白百合女子大学 発達心理学科 教授 宮本 信也 先生

日常生活チェックリスト 病院検索 プリント

ページのトップへ