規則が守れない

ご紹介の症例は臨床症例の一部を紹介したもので、全ての症例が同様な結果を示すわけではありません。

Aさん(50代,女性)の場合

子どもの頃はものすごいお転婆で、男の子とも喧嘩してました。運動も大好きでしたね。あと、忘れっぽくて、学校でたくさんプリントをもらっても、それをもらったことも忘れてしまうんです。学校の机や鞄、ロッカーに入れっぱなしにしてしまっていました。学校にランドセルを忘れて帰ったこともあります。興味がないときは、何も聞かないでぼーっと外を見てたりしたので、ずっと、規則の守れない自分勝手な子だって言われていました。
ただ、いつも明るくニコニコしてて、友達とも仲良くできてるように見えてたらしく、うちの親は私がいろんなことで困っているってことに全く気がつかなかったみたいです。

今はホームヘルパーの仕事をしています。以前から訪問時間を間違えたり、計算した時間で終わらなかったりで、他の人にとっては当たり前のことがなかなかできなくて、「自分は何か違うかもしれない」と思っていました。
仕事で発達障害の人たちと関わることもあるので、資料を見たりしているうちにADHDのものを見つけて、読んだら「自分はこれじゃないかなあ」と思うようになりました。
それで、インターネットで見つけた病院で相談したら、ADHDと診断されました。 ADHDの診断を受けたときは、最初にホッとしました。子どものころからずっと、周りの人や家族には「これはできるのにあれはできない。ただ努力が足りないからだ」と言われ続けていたからです。
それからも病院に通っていますが、先生との会話のなかで「どうしたらいいのかなあ」と自分で気づいてきたことがたくさんあります。診断を受けて納得したし、診断を受けることによって「じゃあこうしよう」と先に一歩進む助けになったと思うので、私は診断を受けてよかったです。

監修:
奈良県立医科大学 医学部 看護学科 人間発達学 教授 飯田 順三 先生
一般社団法人 日本発達障害ネットワーク 理事長 市川 宏伸 先生
名古屋大学 大学院医学系研究科 精神医学・親と子どもの心療学分野 教授 尾崎 紀夫 先生
社会福祉法人恩賜財団母子愛育会 愛育研究所 愛育相談所 所長 齊藤 万比古 先生
こころとそだちのクリニック むすびめ 院長 田中 康雄 先生
一般社団法人 日本うつ病センター 理事長 樋口 輝彦 先生
東海大学医学部 専門診療学系精神科学 教授 松本 英夫 先生

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