ADHDの原因は脳内に?

ADHDの原因

ADHDの症状には、自分の注意や行動をコントロールする脳の働き(実行機能)のかたよりが関係していると考えられていますが、詳しい原因はまだわかっていません。

前頭前野の関連

実行機能は前頭前野とよばれる大脳の前側の部分で調節されます。ADHDの方は、前頭前野を含む脳の働きにかたよりがあると考えられています。

神経伝達物質の関連

また、脳の神経伝達物質(脳内の神経細胞の間で情報をやりとりする物質)であるドパミンやノルアドレナリンの働きがADHDの方では不足気味であることがわかっています。 これらの神経伝達物質の機能が十分に発揮されないために、ADHDの症状である不注意や多動性があらわれるのではないかと考えられています。

神経伝達物質の働き

①外で受け取った刺激の情報は神経を通して脳に伝わります。脳はさまざまなところから入ってくる情報を統合・判断し、何をするかの指令を出します。脳から出される指令の情報は、神経を通って体に伝わります。

②神経系は神経細胞がいくつもつながって構成されており、神経細胞と神経細胞の間にはすき間があります。途切れることなく情報を伝えるために、このすき間(シナプス間隙)で働いているのが、神経伝達物質です。

③脳の中にはノルアドレナリン、ドパミンなど数多くの神経伝達物質があります。
神経細胞から放出されたノルアドレナリン、ドパミンなどは、隣の神経細胞の神経伝達物質受容体に結合し、情報を伝達します。

ADHDの状態

受容体に結合しなかった神経伝達物質は、トランスポーターとよばれる取り込み口から元の神経細胞に再び取り込まれます。(再取り込み)
ADHDでは、トランスポーターが過剰に働き、ノルアドレナリンやドパミンなどの神経伝達物質を再取り込みしすぎてしまう可能性が考えられています。

神経伝達物質が受容体に結びつきにくくなり、
情報伝達を十分に行えなくなってしまいます。
ADHDの特徴である不注意、多動性などの症状があらわれます。

監修:
社会福祉法人恩賜財団母子愛育会 愛育研究所 愛育相談所 所長
齊藤 万比古 先生
国立大学法人 筑波大学 副学長 宮本 信也 先生
鳥取大学 地域学部地域教育学科 教授 小枝 達也 先生